医療法人伯鳳会 東京曳舟病院

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東京都墨田区東向島二丁目27-1 TEL:03-5655-1120 FAX:03-5655-1121

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下肢血管科

下肢血管センターの取り組み

当院では全国でもまだまだ不足している足の血管病を専門に診療する下肢血管センターを新たに開設しました。
現在でも下肢血管センターの名称は時々耳にすることがありますが、通常の下肢血管センターは下肢静脈瘤や下肢閉塞性動脈硬化症といった病気を単独で診療する病院が多い中、患者さんの中にはご自身がどの病気に当てはまるのか実際にはよく分からないといったご意見をお聞きすることも多く経験しました。
そのため、あらゆる足の血管病を一つの窓口で診察できれば、より多くの患者さんの病気に対応することが可能となり、地域医療にも貢献できるのではと考えるようになったことが、この専門外来を開設するに至ったきっかけです。
よろしければ、この後の病気の説明に目を通していただき、ご心配の方がいらっしゃいましたらお気軽に当院の下肢血管外来を受診ください。

医師紹介

小笠原 大介
役職  :下肢血管センター長
【主な認定資格】
医学博士
日本内科学会       認定医・総合内科専門医
日本循環器病学会     循環器専門医
日本脈管学会       専門医
日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)認定医・専門医
下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医 
日本下肢救済・足病学会
Japan Endovascular Treatment Conference
外来担当日:月曜日午後

外来診療担当表

 
午前
午後 小笠原
お問い合せ先 受付時間(月~土曜日)
けんしん予約  03-6657-1590  9:00~13:00
 14:00~17:00
診療内容  03-5655-1126  10:00~17:00

まずはお電話でお問い合わせ下さい

 

本当はこわい足の血管病
(下肢閉塞性動脈硬化症)


このような症状でお困りの方、近しい方にこのような症状をお持ちの方はいらっしゃいますか?
ひとつでも心当たりのある方は、以下の説明を読んでいただくことをお勧めします。

末梢動脈疾患(下肢閉塞性動脈硬化症)とは?

下肢閉塞性動脈硬化症は『動脈硬化』と密接にかかわっています。動脈硬化とは、血管の内側にコレステロールが沈着し、血管の内部が狭くなり血液の流れが悪くなった状態をいいます。動脈硬化はそもそも血管の老化現象のことであり、誰でも年齢を重ねれば血管は脆くなっていきますが、糖尿病や高血圧、高脂血症などの生活習慣病がある場合、動脈硬化が通常より早く進行します。その結果、おもに足の先に十分な血液が届かなくなることで様々な血液不足の症状が出現するようになります。


○どんな症状がおこるのか
重症度によって1度から4度に分類されます(図1)。なお、この分類における3度と4度の状態には『重症下肢虚血』という別の名前がつけられており、治療自体が格段に難しくなるとともに、一部の方は状況によっては命に関わる危険性もでてきます(図2)。大切なことは早期に診断し、早期に治療することです。これらの症状がある方は、まずは下肢閉塞性動脈硬化症を疑い、専門医のいる病院を受診して適切な治療を行える環境を作ることが重要です。

              図1 下肢閉塞性動脈硬化症の重症度

             図2 下肢閉塞性動脈硬化症の方の生存率

○検査
●検査手順 下肢閉塞性動脈硬化症が疑われる患者さんが来院された場合、まずは簡単な検査を行い病気の有無や重症度を調べます。その後治療の緊急性や治療の選択肢を詳しく調べていくことになります。


   触診、ABI検査、SPP検査など

   脈波測定、分節圧測定、SPP検査
   超音波検査など

   血管造影検査、CTなどの画像診断


●ABI検査 (足関節上腕血圧比)
腕と足首の血圧を測定し、その比を調べます。通常は足の 血圧は腕の血圧に比べて高いのですが、足の血圧が下回る 場合には下肢閉塞性動脈硬化症を疑います。


●SPP検査 (皮膚灌流圧測定)
皮膚の表面レベルの血液の微小な流れを測定する検査で、 ABI検査に比べより正確な評価が可能です。重症下肢虚血 患者の重症度や治療効果判定を行う上で重要となります。


●超音波検査
文字通りエコー検査です。ベッドサイドで痛みもなく行う ことができ、下肢閉塞性動脈硬化症の病気の場所や重症度 を詳しく調べることができます。


○治療法

●薬物療法
おもには血をサラサラにする薬(抗血小板剤)や血管を拡げる 薬(プロスタグランジン製剤)などを使用し、跛行や疼痛と いった血液不足の症状の改善を図ります。
また高血圧や糖尿病などを認めている場合は、各々の生活 習慣病に対する内服治療も重要です。内服療法は全ての患者 さんに対して行う基本的な治療となりますが、実際のところ 重症度の高い患者さんは、薬物療法だけでは十分な効果を認 めないこともしばしば経験します。

●運動療法
一般的には歩行訓練を行うことで、閉塞した動脈以外の側副血行路の血流を増やしたり、新生血管の増生効果が期待されます。医療機関や医師指導の下、在宅で行うこともありますが医療圏により地域差があるのが実情です。

●血管内治療
動脈硬化で狭くなった血管をバルーン(風船)やステント(金属の筒)によって拡張し、血流を回復させる治療法です。当院ではカテーテル治療に力を入れている施設ですので、あとでくわしくご説明いたします。

●外科的治療(バイパス術)
血管が詰まっているる場合、詰まっている部分の上下に バイパス血管(ご自身の静脈や人工血管)をつないで、外科的 に新しい血液の流れ道を作る治療法となります。


○血管内治療(カテーテル治療)

当院では下肢閉塞性動脈硬化症に対し、カテーテルを用いた 専門治療を特色としています。カテーテル治療とは、足の付 け根や手首の動脈から細い管を挿入して行う治療法のことで、 従来より狭心症や心筋梗塞の方の治療として日常的に行われ てきました。ガイドワイヤーと呼ばれる細い針金に沿っ て、先端に風船のついたカテーテルを病気の場所まで持ち込 んだ後、風船を膨らませたり、ステントと呼ばれる網目状の 金属の筒を入れることで血液の流れを改善させる治療法です。





  左:治療前
  右:ステント治療後





左:治療前
中:バルーン治療
右:治療後

当院では下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療に力を入れています。従来下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療法はバイパス術しかありませんでしたが、ここ最近はカテーテル治療の進歩により外科治療に遜色ない治療成績が得られるようになってきました。
またカテーテル治療は、皮膚に1~2か所2~3mmの小さな穴を開けるだけで治療できるので傷もほとんど残りませんし、全身麻酔なども必要ありません。今後下肢閉塞性動脈硬化症に対する治療としてますます普及してくると思われます。  

下肢静脈瘤について

当院では下肢静脈瘤の専門外来を開設し、静脈瘤に対して体への負担が少ないレーザー治療を行っています。
よろしければご自分の足を眺めてください。このような症状はありませんか?



こういった症状が多くあてはまる方は、下肢静脈瘤が原因の可能性があります。


下肢静脈瘤とは?

人の足は立っていても、座っていても基本的に体の下の方に位置しています。足の静脈には逆流を防ぐ弁がついており、歩くことでふくらはぎの筋肉を使い、重力に逆らって足から心臓へ血液を送り返しています。何らかの原因でこの弁の働きが悪くなり、足に血液が溜まったままの状態が続くと、足の血管が徐々に膨れたり、コブができたりします。 これが下肢静脈瘤の正体です。


○下肢静脈瘤の症状




☞このような人にできやすい

【性別】 女性に頻度が高い
【年齢】 加齢とともに増加する
     妊娠・出産がきっかけでできる人が多い
【職業】 立ち仕事の方に多く、進行しやすい
【遺伝】 家族に静脈瘤のある方に起こりやすい

日本人の約9%の方が下肢静脈瘤をもっており、出産経験のある成人女性の2人に1人が一生のうちに下肢静脈瘤を発症するとされています。

○4つのタイプの下肢静脈留

静脈瘤の太さ(ボコボコの程度)によって4つのタイプに分けられます。

タイプ 伏在型 側枝型 網目 くもの巣状
静脈の太さ ≧4mm 3-4mm 1-2mm ≦1mm
主な治療 レーザー治療 硬化療法・弾性ストッキング

一般的に症状があり、後に述べるレーザー治療が必要になるのは伏在型の静脈瘤です。他の3種類は軽症であり、あまり心配のない静脈瘤です。

○治療法

下肢静脈瘤にはいくつかの治療法があり、静脈瘤のタイプや患者さんの状態によって適切な治療法を選択していきます。
当院ではストッキングによる保存的療法や硬化療法、レーザー治療に瘤切除術を組み合わせた体への負担が少ない低侵襲治療に特に力を入れています。

●保存的治療
医療用ストッキングで足全体を適度な強さで圧迫し、静脈の血が停滞するのを防ぎます。ストッキングの圧迫によって、足の静脈に溜まった余分な血液は心臓へ戻りやすくなり、下肢全体の血液循環が改善されます。ただし、ストッキングによる圧迫は症状の進行を抑えたり、再発防止には有効ですが、静脈瘤そのものを治すことはできません。

弾性ストッキングの種類


●硬化療法
硬化剤とよばれる薬を静脈瘤に直接注射し固めてしまう治療です。固めた血管が硬くなることから硬化療法といわれています。簡単な処置で終わるため入院する必要もありません。硬化療法は軽症の下肢静脈瘤には有効な治療法ですが、硬化療法単独では再発も多く、進行して太くなった静脈瘤には治療効果が期待できない場合があります。




●血管内焼灼術
下肢静脈瘤血管内焼灼術とは、逆流を起こしている静脈の中に細い光ファイバーを内蔵したカテーテルを挿入し、先端から生じたレーザーの熱で血管内の壁を焼くことで閉塞させる治療法です。閉塞して血液が流れなくなった静脈は、数ヶ月の間に線維化し、吸収され消失します。従来行われていたストリッピング手術と劣らない高い治療効果が得られるだけでなく、出血や痛みなどのリスクも少なく、体への負担の少ない治療法として近年普及するようなりました。




●静脈瘤切除術(スタブ・アバルジョン法)
レーザーによる血管内治療は、小さな穴を開けるだけで皮膚を切らずに治療ができますが、より効果的な静脈瘤の治療を行うには、それぞれの患者さんの症状や進行状況に応じて様々な治療法を組み合わせて行うことが最も大切です。
レーザー治療を行っても一部残ってしまう静脈瘤に対しては、皮膚を小さく切開して静脈瘤を切除する治療を追加して行います。スタブ・アバルジョン法といって、 特殊な器具を使って極めて小さな切開を行い(1-3mm程度)、静脈瘤を切除する方法です。この方法は傷も小さく縫う必要もないため、傷痕が残りにくく痛みも少ないとされています。




○よくある質問

Q. 静脈瘤を放置するとどうなる?

A. 下肢静脈瘤は命に関わる深刻な病気ではありません。足に静脈瘤があったとしても、痛みやかゆみ、重だるさなどで困っていない方は、そのまま放置したとしてもすぐにトラブルにつながることは少ないといえます。
しかし残念ながら静脈瘤は自然に治る病気ではありません。ゆっくり時間をかけて徐々に進行し、多くの方はいずれなんらかの症状が出現するようになります。
静脈瘤の治療を行うことで足が軽くなったり、歩行が楽になったりすることを実感する人も多くいらっしゃいますので、実際になんらかの症状を感じた場合には、一度専門の先生に相談されることをお勧めします。

Q. レーザー治療で血管を閉塞して大丈夫?

A. 足の静脈の90%は、深部静脈とよばれる足の奥深い場所を流れる血管を通って心臓に戻ります。一方でレーザー治療は表在静脈と呼ばれる皮膚の浅い部分を流れている血管に対して行います。静脈瘤の方は、この表在静脈が正常に働いておらず、むしろ静脈瘤を悪化させるためだけの状態になっているためレーザーで閉塞する必要があります。これにより足全体の血液循環が良くなりますので心配する必要はありません。

Q. レーザー治療の時間はどのくらい?

A. 片足30-60分程度です。麻酔の方法にもよりますが、治療直後から歩いていただくことも可能です。

Q. レーザー治療は安全?

A. 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療の実施基準を満たした医師が治療を行いますので安心して治療を受けていただくことができます。

Q. 料金は? 医療保険が使用できる?

診察内容 1割負担 3割負担
初診時(診察寮+エコー検査) 約1000円 約2500円
術前検査(治療を行う際に追加) 約1300円 約4000円
硬化療法 約2000円 約6000円
レーザー治療(1泊2日入院) 約23000円 約67000円

※当院で行っている治療は基本的にすべて保健診療となります。
※弾性ストッキングを購入される際は別途費用がかかります。
※民間の医療保険あるいは生命保険にご加入されている方は、レーザー治療に対して手術給付金が支給される場合があります。詳しくは各保険会社にお尋ねください。
※高額療養費制度を利用できます。高額療養費制度とは、1ヶ月の間に医療機関や薬局で支払った額が一定額を超えた場合、超過分の金額を後から払い戻してもらえる制度です。詳しくは当院事務までお問い合わせください。


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