医師紹介

- 渡辺 淳
- 役職 :足の外科センター長
出身大学:東京医科大学 - 【主な認定資格】
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日本整形外科学会専門医
日本足の外科学会認定足の外科認定医
日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
医学博士
診療内容
外反母趾・足の外科外来
「子どもの98%は健康な足を持って生まれてくるが、大人の60%は足の障害に悩んでいる」。
これは2000年にドイツ靴産業連盟が発表した報告の一節です。この報告では、子どもの半数以上が足に合わない靴を履いており、足の変形や障害の多くが靴との不適合に関連すると指摘されています。
歩くことは日常生活の基本であり、それを支える靴は足の健康と密接に関係しています。特に日本では靴を脱ぎ履きする生活様式のため、大きめの靴を選ぶ傾向があります。しかし大きすぎる靴では足と靴のフィットが得られず、靴の中で足が動くことで靴擦れや痛みが生じます。これが長期的には外反母趾などの足の変形につながることもあります。
また近年では、外反母趾やタコ・ウオノメといった足の障害だけでなく、運動習慣の広がりにより足底筋膜炎などのスポーツ関連の足の痛みも増えています。
当院の「外反母趾・足の外科外来」では、こうした足の痛みや変形に対して専門的な診療を行っています。軽症例では靴の指導や装具療法などの保存治療を行いますが、変形が進行している場合や痛みが強い場合には手術治療も重要な選択肢となります。
外反母趾手術にはさまざまな方法がありますが、当外来では足の変形の程度や生活背景を十分に評価し、それぞれの患者さまに適した手術方法を検討しています。
足の痛みにより日常生活や運動に制限を感じている方、手術を勧められて悩んでいる方も、まずはお気軽にご相談ください。
「こんな症状の方はご相談ください」
例
• 外反母趾の痛みがある
• 靴が当たって歩くと痛い
• 足の変形が進んできた
• 捻挫を繰り返す
• 足の裏や前足部が痛い
足の外科としての対応疾患
当外来では、主に足部の変形や外傷など、足の外科領域の疾患に対して専門的な診療を行っています。
1)変性疾患
外反母趾
進行性扁平足
強剛母趾
変形性足関節症
中足趾節関節脱臼 中足骨痛症
内反小趾 槌趾・鉤爪趾
2)骨折疾患
踵骨骨折
足関節骨折
距骨骨折
中足骨骨折
リスフラン関節脱臼骨折
3)その他
アキレス腱断裂
足関節靭帯断裂(足関節不安定症)
モートン病
副骨障害(有痛性外脛骨など)
足根骨癒合症
腓骨筋腱脱臼
アキレス腱付着部症
尖足
このほか、足部の痛みや変形など幅広い疾患に対応しております。
内反足などの小児足部疾患、足部腫瘍は当院の診療体制の都合上、専門医療機関での診療をお願いする場合があります。
また当外来ではフットケア(爪処置・胼胝処置などのケアを中心とした診療)は行っておりません。そのため、足部感染症、糖尿病性足病変、シャルコー関節などの疾患については当外来の診療対象外となります。
外反母趾
病態
外反母趾は、足の親指(母趾)が小指側へ曲がり、母趾の付け根が内側に突出する足の変形です。女性に多い疾患で、男女比はおよそ女性9:男性1とされています。日本では約30%程度の有病率が報告されています。
ハイヒールなどの靴文化の影響や疾患への認知の広がりにより、外反母趾で医療機関を受診する患者数は増加しています。厚生労働省の報告では、外来患者数は1984年から2011年の間に約7倍に増加したとされています。一方で、外反母趾の手術治療を専門的に行う医療機関はまだ多くなく、長年痛みを抱えながら生活されている方も少なくありません。実際には10年以上痛みを我慢して受診される患者さんも珍しくありません。
一般的には50歳前後から痛みなどの症状が出現することが多いとされていますが、靴の影響などにより比較的若い年代から症状を認める場合もあります。小学生でも約5%程度に外反母趾がみられるという報告があり、中学生頃からローファーなどの靴を履くようになることで痛みを自覚するケースもあります。
外反母趾の特徴として、体重をかけた際に足の形が大きく変化することが挙げられます。そのため、外反母趾の診断や治療では、このような足の動的な変化を考慮することが重要になります。
(※下図のように、体重をかけると足の形が大きく変化します)

また、長期間症状が続いている場合には『外側趾障害』と呼ばれる状態を伴うことがあります。これは外反母趾の進行により母趾と他の足趾の位置関係が崩れ、足趾同士が交差するような変形を生じる状態です。
この段階になると治療がより複雑になることがあるため、症状や変形の程度によっては早期の手術治療を検討することが望ましい場合があります。

保存的治療
外反母趾の保存的治療では、歩行時の荷重を支える足部アーチ機能を維持・補助することが重要となります。
そのため当外来では、足のサイズや幅に合った靴の選び方や履き方の指導を行い、必要に応じて装具などを用いた治療を行っています。
手術治療
保存治療で十分な改善が得られない場合や、痛みが強く靴が履きにくい場合には手術治療を検討します。
また、外反母趾が進行して親指と他の足趾が交差するような状態になると、変形は年々進行することが多いため、症状や変形の程度によっては早期の手術をおすすめする場合があります。
外反母趾の手術にはさまざまな方法があります。当外来では、足の変形の程度や関節の状態を評価したうえで、それぞれの患者さんに適した手術方法を選択しています。
一般的には、
• 軽度から重度の外反母趾:マン変法(骨切り術)
• 高度な変形や足趾が交差している症例:ラピダス変法(第一足根中足関節固定術)
などの方法を中心に手術を行っています。
手術方法は足の変形の程度や関節の状態により異なるため、診察と画像検査の結果をもとに個別にご説明いたします。
① 重度外反母趾へのマン変法によるプレート固定(約1時間)
術前 術後

② 外側趾障害もある超重症外反母趾へのラピダス変法による髄内釘固定(約2時間30分)
術前 術後

手術を行うことで足の変形は大きく改善し、外観も良くなります。
痛みは術後数日で落ち着くことが多く、多くの方は術後3か月頃には日常生活を痛みなく送れるようになります。
ただし、両足同時手術や複数の足趾に対する手術を行った場合には、回復にやや時間を要することがあります。
手術後の注意点
手術翌日から歩行は可能ですが、術後3週間までは踵歩行(つま先に体重をかけない歩き方)を行います。その後、徐々に通常の歩行へ戻していきます。
入院期間の目安は以下の通りです。
• 単純な手術:約1週間
• 複数趾を含む複雑な手術:約3週間
足は汗をかきやすく汚れやすい部位であるため、感染予防の観点からも創部が安定するまで安静と経過観察が重要になります。
骨が安定して癒合するまでの期間(約3か月)は、月1〜2回程度の外来受診をお願いしています。
また足の手術後は、足部の筋肉による血液を心臓へ戻すポンプ機能が一時的に低下するため、術後2か月程度は足のむくみが続くことがあります。
そのため、接客業など長時間の立ち仕事への復帰は術後2か月頃を目安としています。
重症例について
外反母趾が進行し、親指と他の足趾が交差するような状態(外側趾障害)を伴う場合には、早期の手術をおすすめすることがあります。
これは、変形が進行するほど足の構造が複雑になり、治療後にも症状の一部が残る可能性が高くなるためです。
外反母趾の症状や変形の程度は患者さんごとに異なります。診察と画像検査の結果をもとに、最適な治療方法をご提案いたしますので、足の痛みや変形でお困りの方はお気軽にご相談ください。

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